カウンセリングのすすめ

第四回

門司区の藤井さんからお便りを頂きました。拙文でも読んで下さる方が居るんだな、と励まされました。そこで今月は精神病から少し離れて、一般の人にも共通する「落ち込む」という心の働きを考えてみます。

Wendy21 米島健二

 うつ病ではなくても、たいした理由もなく悲しくなる時があります。気圧や月の潮汐力の影響だと言う人もいます。「祭りの後の寂しさ」などと言うように、楽しい事が続いた後に、ふっと物悲しくなる事もあります。何が脳内で起きているのでしょうか(今度調査してみます)。
 でも落ち込んだり悲しくなったりする事が悪いことだと決めつける必要は無いのです。確かにあまり気持ちの良いことではないけど、哀愁があるから、喜びや楽しさがより鮮明に輝くわけです。
 落ち込んでいるな、と思った時は、その哀愁を噛み締めて、悲劇のヒロインになったつもりで楽しめる余裕がほしいですね。気分に左右されて、人間関係までギクシャクしてしまわないよう、表面的には元気を装うくらいの演技力を身につけたいです。演技しているうちに憂鬱がどこかに飛んでいってしまう場合もあります。悲しげな人が必死に明るく振舞う姿は、周りの人にも好感と応援の気持ちで迎えられます。演技する事によって体の側から脳へ元気の素が送られてゆくような気がします。
 藤井さんの場合は落ち込んだりした時、パッチワークに集中したり、自分で占いをしたりして、心の中に安心をあたえる工夫をしているそうです。人それぞれ色んなやり方があっていいと思います。
どうにもならない落ち込み状態から抜け出るには、あたふたしないで、ただひたすら時間が解決してくれるのを待つという方法もあります。「朝の来ない夜は無い」筈です。暗いまま何週間も何ヵ月も過ごしてしまうと、脳や身体に良くないですし、空元気でも出して、思いきり笑ってみましょう。
 それでも対処できないほど、やりきれない悲しみに襲われた時、どうするか? 頭が痛い時、鎮痛薬を飲むでしょう。ひどい落ち込みの時にもそれなりの薬はあります。早めに医師に相談しましょう。