ブラックホール    作 奥原水穂

 小学校の授業で、ブラッ・クホールのことをやっていた。
 全てを吸い込む黒い穴?
 その先に何があるのか、当時からずっと不思議だった。
 色々な想像をめぐらせ、宇宙に夢を馳せていた。

 あれから、十数年。私は宇宙飛行士になっていた。
 新しい任務はブラックホールの内部調査。
 まさに願ったりの任務に、私の心は躍った。
 もし母が生きていたなら、今の私をどう見ていただろう?
 喜んだろうか? 心配して、反対していただろうか?

 ロケットは無事離陸し、余分なパーツが離される。
 たどり着くまでに数十年もかかるために、私はその後コールド・スリープに入った。
 そうしなければ、目的地につく頃にはおじいちゃんだ。

 コールド・スリープから目覚めると、ロケットの勢いが増しているのに気付く。
 どうやらブラック・ホールに吸い込まれているようだ。
 ブラックホールの先にはホワイト・ホールがあるとは何処で聞いた話だろう?
 授業でやった覚えはないから、うそ臭い雑誌で得た知識だろう。
 吸い込まれる勢いは増し、周囲が暗くなる。
 やがて目の前に白い明かりが見えた。
 「!」
 通常ブラックホールは光も吸い込むはずだが…?
 白い光に包まれた瞬間、突然私は意識を失った。

 目を覚ますと、見知らぬ男性が私に手を差し延べてる。
 「元気な男の子ですよ」
 「ああ、かわいいわ」
 別の方から、聞き慣れた声が…… 若き日の母だった。
 ブラック・ホールの先にはホワイト・ホールがあり、その先には、まだ開発されていないタイムマシンがあったようだ。

 それから数年。
 小学校の授業で、ブラック・ホールのことをやっていた……